僕は7年前初めて格ゲー(家庭用スーパーストリートファイター4)を触って依頼、格ゲーフリークの私としてはTwitterで見るたびに非常にうんざりするこの話題、今回身近な人からこの話題について「なるほど、ガチ勢はやっぱり競技的にプレイしてるんだな。俺は格ゲーをマリオのように楽しみたい」という話を聞き、かつ最近話題になったこの記事をついに目撃してしまったので色々書いていきます(Twitter上では見ないようにしてたのです)
目次
敷居(ハードル)が高い
毎回言われるこの魔法の言葉、なぜそう思ったのかをより具体的に言って欲しいものです。勿論言ってくれる方も居るのですけど。
そして格ゲーマーはそれに対して揚げ足を取るような回答をしないで欲しいものです。
そういうわけで見たことがあるハードルが高いとされている理由と、僕の考えを書きます。*1
コマンド入力をしなければ技が出ない
コマンド入力こそが格ゲーを面白いと感じる一つの要素であるのですが、実際には非格ゲーマーからはコマンド入力自体が難しいと感じられているというのは割と衝撃的でした。はっきり言ってこの考えがある人は格ゲーを向いていないでしょう。*2
しかし、実際には、他のゲームでもコマンド入力というのは波動拳ほどじゃないにしろあります。アクションゲーム類では無いことのほうが珍しいと言って良いでしょう。
例えばマリオ64などでは、走っている最中にZトリガーを押しながらAボタンを押すことで「走り幅跳び」ができます。
これって実は、コマンド入力です。僕もマリオ64でマリオを自在に動かせるようになるまでに時間がかかった記憶があります。
果たして本当に格闘ゲームのコマンド入力は難しいのでしょうか?
僕は要は慣れの問題だと思っています。
コンボを覚えなければいけない・コンボが難しい
コンボこそが格ゲーを面白いと感じる一つの要素であるのですが、実際には非格ゲーマーからはコマンド入力自体が難しいと感じられているというのは…まあそうでしょうね。
でもコレもまた他のアクションゲームと一緒なんです。よく使うコンボは使ってるうちに覚えるし、タイミングを覚えて勝手に指が動いてくれます。
確かに格闘ゲームのコンボは上を見ればキリが無いというゲームもありますが、最初からそれを目指すようなゲームではありません。だいたいのゲームはそんな難しいことをしなくても簡単とされている基本コンボがあって、それを覚えれば勝負にはなるようになっています。
100円払って何もわからない状態でボコられて負ける。成長の要素が無い
これはアーケードに対するコメントです。これは格ゲーやってみたい度合いによっては起こっている現象だと思います。つまり「ちょっと触ってみたいな」と思ってゲーセンで100円投入した結果、何もわからないうちに対戦に入って負けてしまうというのは非格ゲーマーにはよくありそうです。
僕のように「興味アリアリ」の状態ならはじめから高い金出して家庭用を買うのでしょうが、「俺(私)にできるかな?」ぐらいの興味度合いでは、すぐ近所のゲーセンで100円入れて試してみようとなるのは自然だと思います。
はっきり言ってこれはゲーセン側のビジネスの問題です。格ゲーそのものが悪いというものではありません。ゲーセンによっては初心者台を作っている場合もありますが、ない場合もあります。それは最早ゲーセンがどういう考えで運営しているかというだけです。格ゲーが対人ゲームである以上、1人用モード専用台を作ったところでペイできないでしょう。僕の考えではこの問題は、問題であるにも関わらず、誰も悪くありません。強いて言えば、ゲーセンで格ゲーができることが悪いでしょう。無ければ最初から家庭用で平和な環境で上達できますからね。
金を取られて負けるシステムが悪い
上に類似ですが、これはもう対人ゲーム全ての否定ですので論外です。
チュートリアルがない
これは大昔に格ゲーをプレイした人、あるいはアーケードに対するコメントです。最近の家庭用ゲームではチュートリアルが存在します。
アーケードにチュートリアルが無いのは、メーカーが悪いと言って良いでしょう。メーカーに問い合わせるか、大昔に格ゲーをプレイした経験のある方は是非家庭用を!
色々なシステムが複雑で理解するのが大変
すっげーわかる!!だから、色々なシステムは最初は無視するんです。それで一つずつ理解していく。
どんなゲームでも、実はこういうシステムあったけど使って無くて後から気づいた!みたいなことありますよね。
それと同じように、格ゲーというのはシステムが色々付いてても別に使わなくても勝負にはなります(勿論同じレベル対同士での話)
だから、いっぺんに覚えようとしたり使おうとすると頭がこんがらがって出来てたものまで出来なくなるので、「自分が何をしているのか」を理解できるまでシステムなんて使わずにプレイしてから、じゃあ次のステップ行ってみようとなるのです。
スマブラを初めてプレイした時、スマッシュと緊急回避を知らないまま遊んでいました。次第に慣れた時、こういう行動あったよねと思い出して使い始めたのです。それと同じです。
最初からあれもこれもというのはゲームの天才じゃないと格ゲーじゃなくても無理でしょう。
フレームってのがよくわからない。覚えるのが大変
これは格ゲー経験者らしき人が言っていました。
これもシステムの話と同じです。よくわからないものは無視するに限る。それでも対人ゲームは戦いになるのだから。
「自分が何をしているのか」が理解出来て、「システムも理解した」のなら最後にフレームで良いと思います。
キャラの立ち回りがよくわからない
これも格ゲー経験者らしき人が言っていました。
これもシステムの話と同じです。よくわからないものは無視するに限る。それでも対人ゲームは戦いになるのだから。
実は立ち回りというのは、頭を使って勝とうとすると自然と身についたりするものです。だから無視しても良いのです。
逆を言えば「俺ってもしかして頭使って勝ってない気がするな」と思ったのなら、そこで初めて「立ち回り」について向き合うとよいのです。
ガードが難しい
これは、ガードって奥が深いんだよ。という話ではなく、スマブラや他のアクションゲームのようなガードボタンをプレイしてきた層としてはガードがボタンではなく、相手キャラと反対方向にレバーを倒すことがガードになるってなんか変、という話でした。
3D格ゲーならガードボタンがあるんですが、2D格ゲーは基本相手キャラと反対方向にレバーを倒すことでガードになります。
2D格ゲーでもボタンガードできる仕様にしたら良いじゃないかと思われるかもしれないんですが、2D格ゲーは「自分から見て前側の攻撃」なのか、「後ろ側からくる攻撃*3」なのかによってガードできる・できないが変わるため、ボタンにしてしまうとゲーム性が全く異なったものになってしまうのです。
これはもう正直慣れてもらうしか無いです。メーカーに文句を言ってもおそらく解決されないと思いますし、僕もこの文章書いててこのシステム(ガード方向によって攻撃を防げたり防げなかったりする)実は面白いのでは?って今になって思いました。
勝てない
「勝てない」から格ゲーは敷居が高いというのはなんだか変な気がしますが、そう言っている人が居たので書いてみました。
勝つことを目指して格ゲーをする場合、勝てないというのは致命傷です。この場合、簡単に勝てるキャラ、いわゆる強キャラを迷わず使うと状況が好転します。
しかし「このキャラで勝ちたい」になると本当にハードルが高くなります。もしかしたら「このキャラで勝ちたい」と思う人が大多数で、それが実現しないから「敷居が高い」と言われているのかもしれません。
なぜ「このキャラで勝ちたい」がハードルが高くなるかというと、そのキャラが弱かったり、特徴的な動きやコマンドをするようなキャラだと、格ゲーマーでも「そのキャラはちょっと俺には無理…」というようなことがザラにあるからです。*4
もし「このキャラで勝ちたい」のキャラで検索したときの評価が「トリッキー」「特殊」「「上級者向け」などの文言が並んでいると、格ゲー始めたてでそのキャラで勝つのは、例え初心者同士で戦ったとしても至難と思って良いでしょう。
そういった自分ができることと使いたいキャラのトレードオフをして勝ちたいラインと、使いたいラインの良いところを取って励みましょう。
さて、色々書きましたが、僕がこの中でも腹が立つのは、格ゲー経験者が知っている知識を使って格ゲーを敷居が高いものとしていることです。
キャラの立ち回り、フレームを覚えないといけないからハードルが高い、なんていうのは個人的には論外です。それを覚えなくても覚えてない同士で戦えるわけですからね。
まとめ
確かに格ゲーは操作という面に置いては敷居が高いでしょう(比較対象はマリオ3やスマブラ)
ですから、格闘ゲームの面白ポイントというのを紹介します。
初めて触る格闘ゲームというのは実は、1人でトレーニングモードで動かしているだけでも面白いものなのです。それもこれも、上に書いた敷居が高いと言われている要素のおかげなのです。
格ゲーが一人でも楽しい最大の理由は「思い通りに動かせる」ただそれだけにつきます。しかし格ゲーはそれを分割して楽しめるのです。
- 自在に前ステップ・後ろステップができることが楽しい
- 色々なコンボができるようになることが楽しい(日々成長してどんどん精度が上がっていく)
- 状況(キャラの浮き具合とか)を判断してコンボができることが楽しい
- ガードした攻撃に確定反撃ができるようになることが楽しい
1人で楽しめるのはこの程度です。ちょっと難しいからこそ昨日詰まっていた操作が手に馴染むように動かせるようになる成長が楽しい。
格ゲーは本当に細かい日々の自分の成長を楽しめるゲームで、自分が思ったとおりに操作できるようになることこそが、対人戦におけるスタート地点です。何か技出ろ!と思いながらガチャガチャして戦っても良いかもしれませんが、それでは成長がなく、勝てません。
僕は勝てないより何よりも、自分の思い通りに操作できないことが何よりのストレスになるので、まずその基本操作が重要なのではないかと思っています。
先に例に上げたスマブラでは、その点では非常に簡単に自分が思ったとおりに操作できます。だから対人ゲームとしての敷居が低いとされるのだと思います。*5
さてここまで書いてもうお気づきかもしれません。最初の内はいろいろわかりませんから、自分のできることだけをして戦います。個人的にはここまで(自分のできることだけをして、自分と同じレベル帯と戦う)の敷居は低いと思っています。しかしそうしていると、よりわかっている人と戦うと当然負ける状態になります(勝てる人に勝ってる場合は自然とそうなります)。そうなるとよく見る「勝てなくてつまらない」状態になるのですが、そこからは自分のしてなかったことを身に着けていくという、日々の少しずつの成長を楽しめる人が格ゲーに向いているのです。この方のツイートが正しいでしょう。
(ハードのように見えますが実際には毎日ちょびちょび練習してこういうことをしますよ、という話です)
実際格ゲーで「勝てなくてつまらん」を克服するには操作を覚えた程度じゃ全然足りなくて、コンボを一通り頭に入れて、数時間トレモで練習して、動画とかで立ち回りを覚えて、何十試合とボコられてようやくスタートラインぐらいなので、ハードルは低くはないよね。
— アープ (@earp_k) October 26, 2018
その過程を楽しいと思えるかどうか。 https://t.co/kSbj9ZYl4Q
これを敷居が高いのではと言われると、高いです。しかし敷居が高い理由を誤解しないでほしいのです。敷居が高い理由は「それが楽しいから」なのです。
決して、お金を払って負けるシステムが原因でもないし、複雑なシステムが問題でもないし(使わなくても勝負になる)、フレームや立ち回りの問題でもないのです。そこを誤解しないでもらいたいと思います(あくまで同じレベル帯同士で戦うということを前提にしています)
さて、終わりになりますが、冒頭に書いた私の知人に対して今回の元ツイートがどういう意味で書いてあるのかを140文字使ってマリオの操作方法に例えて説明をしたところ、「その文章量がもう辛い」というご指摘を頂きました。
もしかすると、一度格ゲーはハードルが高いと思った人は、認識を改めることに対して一切の興味がないのかもしれません…。
おわり